【猫の脱走防止】74%は玄関から|経路別の対策と賃貸でもできる方法

玄関のたたきをじっと見ている猫の水彩イラスト

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脱走対策、どこから手をつけるか迷いますよね。

ネットで調べると、ゲート、網戸ロック、ベランダネット、いろいろ出てきます。ただ、どれを先に買うべきかは、あまり書かれていません。

答えははっきりしています。玄関です。

室内にいた猫403匹の脱走経路を調べたデータがあって、74パーセントが「開いたドアかガレージ」からでした。窓や網戸やベランダは、全部合わせても2割ちょっと。

目次

先に結論:この順番で塞ぐ

  • ① 玄関。ここだけで4分の3。二重化できるなら最優先
  • ② 窓と網戸。合わせて17パーセント。ロックは数百円で買えます
  • ③ ベランダ。5パーセント。でも落下のリスクがあるので、ある家は早めに
  • ゲートは 高さで止める発想だと効きません。理由は後ろで書きます
  • 賃貸でも、穴を開けずにできる方法 があります

どこから出ているのか、数字で見る

このセクションで分かること:対策の優先順位を決めるための、経路の内訳

猫が脱走した経路の内訳

2018年に『Animals』に出た調査(迷子猫1210匹ぶんの回答を分析したもの)に、脱走したときの状況を聞いた項目があります。

いなくなったとき室内にいた猫403匹のうち、経路が記録されていた370匹の内訳が、こうでした。

  • 開いたドアまたはガレージから:74パーセント
  • 窓から飛び出した:11パーセント
  • 破れた網戸・ドア網から:6パーセント
  • ベランダから飛び降りた:5パーセント
  • そのほか(屋外用ケージの破損、運搬中など):4パーセント

はっきりしています。玄関まわりに手を入れないと、他をどれだけ固めても意味が薄い。

ちなみに日本でも、ねこのきもちが2020年10月にアプリ内で行ったアンケート(回答400人)で、48パーセントの飼い主さんが「一時的に脱走されたことがある」 と答えています。2人に1人です。同じ調査では、76パーセントが何らかの対策をしているという結果も出ています。

アプリを使っている熱心な飼い主さんが対象なので、日本全体の数字とは少しずれるかもしれません。なお、この2つは別々の集計なので「対策していた人の48パーセントが脱走された」という意味ではありません。

「うちは玄関までは来ない」が危ない

猫が玄関に走るのは、たいてい日常的に玄関へ行っているからではありません。逆です。

ふだん来ない場所だからこそ、ドアが開いた瞬間の光と風と外のにおいが、強い刺激になります。宅配便、ゴミ出し、家族の帰宅。数秒開くだけで十分です。

実際、迷子になった猫の調査でも、95パーセントは「いつもの場所」からいなくなっています。これは外に出る猫も含めた1210匹全体の数字ですが、脱走は特別な日ではなく、いつもの家で起きているということです。

玄関:いちばん効くのは「二重にする」

このセクションで分かること:玄関で効く対策と、買う前に測るところ

玄関を二重にする考え方

玄関対策の基本は、ドアと猫のあいだにもう1枚挟むことです。廊下とリビングの境でも、玄関の上がり口でもかまいません。とにかく「開けた瞬間に直線で走り出せない」状態をつくる。

挟むものは3つのどれかになります。

① 廊下やリビングのドアを閉める習慣

お金がかからず、いちばん確実です。帰宅・外出・宅配のたびに、手前のドアを閉めてから玄関を開ける。

ただ、習慣は家族全員が守らないと意味がないんですよね。小さい子どもがいる家や、来客の多い家だと、ここが崩れます。

② 突っ張り式のゲートや柵

穴を開けずに設置できるので、賃貸でも使えます。玄関前の廊下に渡すのが定番です。

③ 玄関まわりに置くパーテーション

廊下の幅が合わない、ドアがない間取りのときの選択肢です。

買う前に測る3か所

ここが大事なところで、先に測ってから買ってください。レビューを読んでいると、サイズが合わなくて買い直した、という声がよく出てきます。

  • 設置したい場所の幅(いちばん狭いところと広いところの両方)
  • 巾木(はばき)の厚み。床際に出っぱりがあると、突っ張り式が斜めになります
  • 猫の体高。ゲート選びの前提になります

体高の測り方は 【猫の体高】平均は何cm?肩までの測り方と目安 にまとめてあります。

ゲートの「高さ」をあてにしてはいけない理由

このセクションで分かること:高さで止める設計がうまくいかない根拠と、代わりにどうするか

ゲートの高さでは止まらない

ここは正直に書きます。

「猫は体高の5倍くらい跳べる」という説をよく見ます。体高25センチなら1.2メートル超、という計算です。この記事でも最初はそう書こうとしたのですが、たどれる出典が見つかりませんでした。

実際に猫の最大ジャンプを測った研究はあります。2002年に『Journal of Experimental Biology』に出たもので、18匹の猫で踏み切り速度を測っています。ただこの研究が報告しているのは速度と、それを何が決めているかで、「体高の何倍」という形の数字は出していません。

わかったのは、踏み切り速度の個体差を説明できたのが 後ろ足の長さ と 除脂肪体重に対する体脂肪の量 の2つだった、ということです。伸筋の量や速筋線維の割合では説明がつきませんでした。

体脂肪については、論文が仕組みまで書いています。脂肪が多いと筋肉の割合が下がり、踏み切りの力が「スピードを出す」より「体を持ち上げる」ほうに食われてしまう。つまり 太っている子ほど不利 ということです。

ただ、これを対策の根拠にはできません。痩せている子が高く跳ぶなら、なおさら高さは頼れないので。

実際に測った数字は、1.6メートル

倍率の話はあきらめて、実測値を探したら見つかりました。

1985年に『Journal of Neurophysiology』に出た研究で、冒頭にこう書かれています。猫を訓練して、最大1.6メートルの高さに吊るした綿球に触れさせた と。

条件は読んでおいてください。訓練された実験室の猫で、柵を飛び越えた高さではなく、体を伸ばして的に触れた高さです。

ただ、ゲート選びにはむしろこちらが向いています。猫はゲートを飛び越えるというより、前足を掛けてよじ登るので。触れる高さに手がかかれば、上まで行かれます。

1.6メートル。 ここが、ひとつの目安になります。

体重が気になる方は 【猫の適正体重】肥満チェックと「1歳のときの体重」 をどうぞ。

だから「天井まで」か「閉める」

なので、やることはシンプルです。その気になった猫を、高さで止めるのは無理だと思っておいたほうがいい。

  • 天井まで届くタイプのゲートを選ぶ
  • または、ゲートに頼らず ドアそのものを閉める
  • 柵を使うなら、よじ登れる横桟(よこざん)がないものを

売られているものを見てみると、はっきり2種類に分かれています。犬向けの一般的なペットゲートは 高さ80センチ前後。猫の脱走防止をうたっている製品は 150センチ以上で、天井まで突っ張る240センチ超のものもあります。

この差が、そのまま答えだと思います。猫向けに作っている側は、80センチでは止まらないと分かっているわけで。

もうひとつ、高さと同じくらい大事なのが柵の隙間です。 子猫や、体のしなやかな子は、横桟のあいだをすり抜けます。3〜4センチ間隔くらいまでのものを選んでおくと安心です。

窓・網戸・ベランダ

このセクションで分かること:玄関の次に塞ぐ場所と、見落としやすい隙間

窓まわりで塞いでおくところ

窓から11パーセント、破れた網戸から6パーセント。合わせると17パーセントで、玄関の次に多い経路です。

網戸は、閉まっていても出られます

猫は前足で網戸を横に滑らせます。器用な子は数秒です。それから、爪で網を破る。ポリプロピレンの網は、本気を出されると破れます。

  • 網戸ストッパーを付ける。数百円で、貼るだけのものがあります
  • 網をペット用の強いものに張り替える
  • 網戸の下半分にパネルを当てる

窓の「少しだけ開けた」が通れます

換気で10センチ開けるのは、猫には十分な幅です。「頭が通れば体も通る」「ひげの幅で判断できる」といった目安をよく見かけますが、個体差もあるので、幅を目測で決めるのはおすすめしません。確実なのは、開く幅を物理的に固定してしまうこと。サッシ用の補助錠を使えば、それ以上開かなくなります。

ベランダは、脱走より落下が怖い

経路としては5パーセントですが、集合住宅だと結果が重くなります。手すりの隙間、エアコンの室外機から手すりへの足場、隣との仕切り板。このあたりを見てください。

ネットを張るのが確実ですが、賃貸だと取り付け方に制約が出ます。次の項で書きますね。

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賃貸でも、穴を開けずにできます

このセクションで分かること:原状回復を保てる範囲でできる対策

賃貸の脱走対策でいちばんよく聞くのが「ビスを打てない」という悩みです。ネジ穴やアンカー穴は下地の補修が必要になるので、借主の負担とされるのが一般的です(画鋲やピン程度の穴とは扱いが分かれます)。最終的には契約書の特約次第なので、迷ったら管理会社に聞くのが早いです。

穴を開けずに済む方法は、だいたいこの4つです。

  • 突っ張り式(ゲート・パーテーション・ベランダ用の支柱)。壁を点で押すので、当たる面に当て板を入れると跡が残りにくいです
  • はがせる粘着タイプのストッパーやフック。貼る前に、目立たない場所で試してください
  • 置くだけの自立型パーテーション。倒されない重さが要ります
  • つっぱり棒+ワイヤーネットの自作。ベランダや窓まわりでよく使われています

いずれも、退去時に跡が残らないかを先に確認するのが安心です。心配なら、設置前の状態を写真に撮っておくと後で揉めにくいです。

あと、見落としがちなのが管理規約。ベランダは共用部分の扱いになっていることが多く、ネットの常設や固定が禁止されている物件があります。張る前に規約を見ておいてください。

それでも出てしまったときは

対策していても起きます。さきほどのアンケートでも、2人に1人が脱走を経験していました。

出てしまったときは、遠くを探す前に足元からです。完全室内飼いの猫は、半数が39メートル以内で見つかっています。手順は 【猫が脱走した】1210匹のデータでわかる探す順番と距離 にまとめました。

よくある質問(FAQ)

このセクションで分かること:脱走対策でよく出てくる疑問

脱走防止グッズは、どれから買えばいいですか?

経路の内訳からいくと玄関です。室内にいた猫の74パーセントが、開いたドアかガレージから出ています。玄関を二重にできる見込みがないなら、網戸ストッパーのような数百円のものから始めても、窓と網戸で17パーセントぶんは減らせます。

ペットゲートは猫に効きますか?

高さで止める前提だと、効きません。犬向けの一般的なゲートは高さ80センチ前後で、猫には飛び越えられます。猫の脱走防止をうたう製品は150センチ以上で、天井まで突っ張るタイプもあります。選ぶならそちら。柵の隙間が3〜4センチ以下かも見てください。

マイクロチップを入れていれば大丈夫ですか?

脱走そのものは防げません。それに、ペットショップやブリーダーから迎えた子のチップには、お店やブリーダーの情報が登録されたままです。自分の情報に変更する「変更登録」は環境省の制度上の義務で、やらないと法律違反になると明記されています。オンライン申請なら400円。保護されて読み取ってもらえても、登録が前のままだと連絡が来ません。

完全室内飼いなら、そんなに心配しなくていいですか?

むしろ逆だと思っています。外に慣れていない猫は、出てしまったときにパニックになって、狭くて暗いところに入り込みます。外に出ている猫より近くにいる反面、こちらから呼んでも出てこないことが多いです。

去勢・避妊をすれば脱走しなくなりますか?

減る効果はありますが、それでなくなるわけではありません。さきほどの1210匹の調査でも、迷子になった猫の96パーセントは去勢・避妊済みでした。手術をしたから安心、とは考えないほうがよさそうです。

まとめ

  • 室内にいた猫の脱走経路は、74パーセントが開いたドアかガレージ
  • 次が窓11パーセント、破れた網戸6パーセント、ベランダ5パーセント
  • 玄関は 二重にする。ドアを閉める習慣か、突っ張り式のゲート
  • 買う前に、設置場所の幅・巾木の厚み・猫の体高を測る
  • ゲートの 高さはあてにならない。「体高の5倍」説に出典は見つからなかった。天井まで届くものか、ドアを閉める
  • 網戸は閉まっていても開けられるし破られる。ストッパーは数百円
  • 賃貸は突っ張り式・はがせる粘着・自立型で。ベランダは管理規約の確認を

日本のアンケートでは2人に1人が経験しています。完璧を目指すより、いちばん多い経路から順に、できるところまでで十分だと思います。

参考にした資料

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※本記事に掲載している画像の一部は、Google Geminiで生成した画像をそのまま使用、または編集・加工して使用しています。生成された内容は目視で確認し、整合性に問題がないことを確認したうえで掲載しています。

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この記事を書いた人

猫と犬と暮らす毎日には、ちいさな発見と幸せが溢れています。子どものころからずっと続く動物好きと、自宅での多頭飼いから見つけた、暮らしの中の気づきを綴ります。

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