


猫の背中の皮膚をつまんで、 戻る速さで脱水を見る。 「テントテスト」 と呼ばれる、 家でできる定番のチェックです。
ただこれ、 つまむ場所の説明が、 記事によってバラバラ なんです。 それと、 もうひとつ大事なことがあって。 皮膚がすぐ戻っても、 脱水していないとは限りません。
この記事では、 正しいつまむ場所と、 セットで見たい歯ぐきのチェック、 そして「この検査で何が分かって、 何が分からないのか」を整理しました。
このあたりが出ているなら、 皮膚をつまんで確かめるより先に、 動物病院に連絡してください。 チェックは落ち着いている子のための話です。
トイレに何度も行くのに出ない。 うずくまって鳴く。 この組み合わせは、 脱水ではなく 尿道が詰まっている(尿道閉塞) 可能性があります。 とくにオス猫に起きやすく、 数時間で命に関わります。
このときは水を飲ませて様子を見るのではなく、 その時間に開いている病院を探してください。 夜間でもです。
> このセクションで分かること:どこをつまむと正しく分かるか

獣医師向けの解説では、 つまむ場所として 肩甲骨のあいだ(背中の上のほう) か 胸の横 が挙げられています(VETgirl)。
いっぽうで、 一般向けの記事では「首の後ろをつまむ」と書かれていることもあります。 ただ、 猫を持ち上げるときにつかむ、 いわゆる首根っこは、 親猫が子猫をくわえて運ぶ場所。 もともと伸びてたるむようにできています。
数センチしか離れていないんですが、 肩甲骨のあたりまで下げる ほうが確実です。
健康な状態なら、 手を離した瞬間にすっと戻ります。 戻らずに、 つまんだ形のまま残る(テントみたいに立つ)のが「テント」と呼ばれる状態です。
強くつままないであげてください。 痛い思いをさせると、 次から触らせてくれなくなります。
> このセクションで分かること:この検査の限界と、脱水の段階

ここがこの記事でいちばん伝えたいところです。
皮膚のテントが現れるのは、 体重の5%を超えて脱水したあと。 それ以下の軽い脱水では、 皮膚はふつうに戻ります。
つまり 「戻ったから大丈夫」 とは言えない んです。 引っかからなかっただけかもしれません。
| 脱水の程度 | 現れるサイン |
|---|---|
| 5%くらい | 歯ぐきがベタつく。 皮膚はまだ戻る |
| 6〜8% | 皮膚が戻りにくくなる。 歯ぐきの色の戻りも遅い |
| 10〜12% | 歯ぐきが乾く。 目がくぼむ。 反応が鈍くなる → ショックの段階。 夜間でも救急へ |
※獣医師向けの研修教材(WVS Academy)に載っている段階分けをもとにしています
いちばん下の行は、 言葉だけ見ると「元気がない」に聞こえますが、 体の中ではもう循環が保てなくなっている状態です。 朝まで様子を見る、 という判断をする場所ではありません。
4kgの猫の5%は200g。 ただ体重は、 ごはんやトイレで1日のうちに50〜100gは動きます。 1回量っただけでは、 減ったのか日内の変動なのか区別がつきません。 見るなら毎日、 同じ時間に測って推移で追ってあげてください(猫の体重の測り方)。
もうひとつ。 皮膚の戻りやすさは、 脱水以外の理由でも変わります。
上の2つは「脱水していないのに遅い」、 3つめは「脱水しているのに速い」。 どちらにもズレるので、 皮膚だけでは決められないんです。
海外の獣医向けの解説でも、 「この検査ひとつで水分状態を判断すべきではない」 とはっきり書かれています(VETgirl)。
なので、 次のチェックとセットにしてあげてください。
> このセクションで分かること:皮膚とあわせて見る、口の中のサイン

上唇をそっとめくって、 歯ぐきを指で触ります。
猫はよだれの量にも個体差があるので、 ここも「いつものうちの子」と比べるのがいちばん確実です。
歯ぐきを指で軽く押すと、 その部分が白くなります。 離すと、 血が戻ってピンクに戻ります。 この 戻るまでの時間 を数えます。
歯ぐきの色そのものも見ておいてください。 健康なら 濡れたピンク色。 白っぽい、 あるいは紫がかっているときは、 脱水とは別の緊急事態です。 紫は体に酸素が回っていないサインなので、 迷わず病院へ連絡してください。
嫌がる子も多いので、 無理にこじ開けないであげてください。 うちにも口を触らせてくれない子がいて、 その子は皮膚と飲水量だけで見ています。
> このセクションで分かること:この記事でいちばん役に立つ習慣

さっき書いたとおり、 皮膚の戻りやすさも歯ぐきの感触も 個体差がかなり大きい です。 だから、 比べる相手がいないと判断できません。
比べる相手は、 元気なときのその子自身 です。
たったこれだけです。 やっておくと、 体調を崩したときに「あ、 いつもより戻りが遅い」 が分かります。 逆にやっていないと、 初めてつまんだ日の感触が速いのか遅いのか、 誰にも分かりません。
体温や呼吸数も同じ考え方なので、 まとめて記録しておくとラクです。 測り方は 猫の体温の測り方 と 猫の呼吸数の数え方 にまとめました。
皮膚と歯ぐきは、 「調子が悪いかも」と思った日に確かめるチェックです。 毎日の早期発見には、 もっとラクな見方があります。
飲水量は、 器に入れた水の量と翌日の残りを量れば出せます。 蒸発するぶんがあるので、 同じ器に水だけ入れて並べて置いておくと、 差し引きできて正確です。
見分ける前に、 そもそも水を飲んでもらうのも大事です。
> このセクションで分かること:脱水チェックの素朴な疑問
方法は同じです。 ただ子猫は体が小さいぶん、 脱水が進むのが早いです。 下痢や嘔吐があって元気がないなら、 チェックで粘らずに早めに受診してあげてください。
「何秒」よりも、 いつものその子と比べてどうか で見るほうが確実です。 明確な秒数の基準があるわけではなく、 高齢の猫では健康でも戻りが遅くなります。
軽ければ水分を増やすことで戻ることもあります。 ただ、 皮膚のテントが出るレベル(5%以上)なら、 飲ませるだけでは追いつかないことが多いです。 動物病院で点滴をしてもらったほうが早いです。 このとき、 シリンジで無理に流し込むのはやめてあげてください。 誤嚥(気管に入ること)の危険がありますし、 吐いている子に飲ませると余計に吐きます。
しやすいです。 出ていく水分が多いので、 半日〜1日で進むこともあります。 嘔吐や下痢が続いているなら、 脱水のチェック以前に受診の対象です。
おしっこの量が増えるぶん、 慢性的に脱水ぎみになりやすいです。 かかりつけで皮下点滴の指導を受けている場合は、 自己判断せず先生の指示に沿ってください。
皮膚と歯ぐきは、 道具がいらないぶん、 いつでも確かめられるのが強みです。
戻りが遅い、 歯ぐきが乾いている、 元気がない。 こういう状態が続くようでしたら、 必ずかかりつけの動物病院に相談してくださいね。 素人判断は禁物です。
※本記事に掲載している画像の一部は、Google Geminiで生成した画像をそのまま使用、または編集・加工して使用しています。生成された内容は目視で確認し、整合性に問題がないことを確認したうえで掲載しています。
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