


本記事にはプロモーションが含まれます。
「猫はどれくらい水を飲めばいいのか」を調べると、 45ml、 50ml、 60ml、 100ml…と、 サイトによって数字が違います。 どれを信じればいいのか分からなくなりますよね。
実はこれ、 ぜんぶ正しい数字 です。 ただ、 何を指しているかが違う だけ。
この記事では、 混ざりがちな数字を整理して、 家で飲水量を測る手順まで書きました。
> このセクションで分かること:45mlから100mlまで数字が散らばる3つの理由

これがいちばん大きい理由です。
臨床の解説記事では、 多飲は「1日あたり体重1kgにつき100mlを超える水分摂取」と定義されています(Today’s Veterinary Practice)。
「50mlが目安」と「100mlから多飲」は、 矛盾していません。 別の物差しの話です。
多飲の100mlという線は犬と猫に共通なんですが、 ふだんの目安のほうは犬と猫で違います。
英国の専門病院のファクトシートも、 正常の範囲として挙げているのは犬の数字(1kgあたり20〜70ml)だけで、 猫の数字は出していません(Davies Veterinary Specialists)。
猫は犬よりもともと水を飲まない動物なので、 犬の数字をそのまま当てはめると合いません。 出どころが犬なのか猫なのか分からない数字は、 いったん保留にしていいと思います。
ここが見落とされがちなところ。
| フード | 水分の割合 |
|---|---|
| ウェット(缶・パウチ) | 75〜80% |
| ドライ | 10%前後 |
ウェット中心の子は、 ごはんから水分をたっぷり摂っています。 そのぶん水入れから飲む量は少なくて当たり前。 逆にドライ中心の子は、 足りないぶんを水で補う必要があります。
「うちの子、全然水を飲まない」の正体がこれ、 ということがよくあります。 ウェットを食べているなら、 水入れが減らなくても心配いりません。
> このセクションで分かること:蒸発分を差し引いた、ちゃんとした測り方

これをやらないと、 数字がまったく当てになりません。
うちの子はお風呂の水を飲みに行くので、 これをやらずに測ると「ほとんど飲んでいない」という数字が出てしまいます。
朝、 計量カップで量ってから器に入れます。 200mlなら200mlと、 メモしておいてください。
量るのが面倒なら、 キッチンスケールで器ごと量る ほうがラクです。 水は1g=約1mlなので、 グラムのまま記録して大丈夫。
これが地味に効きます。
水は放っておいても蒸発します。 夏やエアコンの効いた部屋だと、 1日で数十ml減ることも。 これを飲んだ量に数えてしまうと、 実際より多く見えます。
同じ種類の器に同じ量の水を入れて、 猫が飲めない場所に置いておく。 これが「蒸発分」の対照になります。
置き場所は 同じ部屋・同じ高さ・日の当たり方も同じ に。 別室や棚の上だと温度や風通しが変わって、 蒸発量がズレます。
猫の器の残りと、 対照の器の残りを量ります。
> 飲んだ量 =(猫の器の減り)−(対照の器の減り)
これで蒸発分を引いた実際の飲水量が出ます。
途中で水が空になって足したときは、 足した量もメモ しておいてください。 最後に合算します。
あと、 前足で水をかき出す子だと、 こぼれたぶんも「飲んだ量」に入ります。 そういう子は、 数字を少し多めに見ておくくらいで。
1日だけだと、 その日たまたま遊びすぎた・暑かった、 で数字が動きます。 3〜5日つづけて平均 を取ると、 うちの子の平常値が見えてきます。
正直、 これがいちばん難しいです。 器を共有していると、 誰がどれだけ飲んだか分かりません。
さきほどの Today’s Veterinary Practice にも、 「飼い主が飲水量を測るのは難しく、 とくに多頭飼いの家庭ではそうだ」と書かれています。 現実的な方法としては、
完璧に測れなくても、 「先月より全体で増えている」が分かるだけで十分に意味があります。
> このセクションで分かること:数字が動いたときに考えられること

水をよく飲むようになった、 おしっこの量も増えた。 この組み合わせが続くときは、 早めに相談してあげてください。
猫で多飲多尿を起こす代表的な病気は、 慢性腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症(ホルモンが出すぎる病気)の3つです(出典は同じく Today’s Veterinary Practice)。 どれもシニア期に増えてくる病気で、 早く見つかるほど手が打てます。
ここは大事なので、 はっきり書いておきます。
「飲みすぎているから水を減らそう」は、 やらないでください。 病気で飲水量が増えているとき、 猫は 体が必要としているから飲んでいます。 水を取り上げると、 そのまま脱水して急に悪くなります。
やることは水を減らすことではなく、 量を記録して病院に持っていくこと です。
大事なのはここで、 さきほどの臨床解説にはこうも書かれています。 「基準の数値を超えていなくても、 その子にとっては多飲多尿ということがある」。
だから100mlを超えたかどうかより、 いつもの倍くらい飲んでいる といった変化のほうが手がかりになります。
多飲と多尿はセットで起きます。 そして尿のほうが、 家では気づきやすいです。
飲水量より手間がかからないので、 続けやすいのはこちらかもしれません。
ひとつだけ緊急の話を。 トイレに何度も行くのに、 おしっこが出ない、 または少ししか出ない。 これは尿道が詰まっているサインで、 とくにオス猫では数時間で命に関わります。 この場合は測るより先に、 その時間に開いている病院を探してください。
水を飲まない。 これも心配なんですが、 まず確認したいのは食事です。
脱水しているかどうかは、 皮膚と歯ぐきで確かめられます。 やり方は 猫の脱水の見分け方 にまとめました。
あわせて、 体重が落ちていないかも見てあげてください(猫の体重の測り方)。
なお ごはんを食べない は、 水とは別に単独でも急ぎます。 猫は食べない状態が続くと肝臓を傷めることがあるので、 丸1日食べていないなら、 その時点で相談してあげてください。
> このセクションで分かること:水入れから飲ませるための現実的な方法

猫はもともと、 あまり水を飲まない動物です。 砂漠地帯出身の祖先を持つので、 少ない水で生きられるようにできています。
なので「たくさん飲ませる」より、 飲む機会を増やす ほうが現実的です。
うちでも、 置き場所を変えただけで飲む量が増えた子がいました。 器そのものより どこに置くか のほうが効くことがあります。
夏場の水分管理は 猫の夏バテ症状 のほうにもまとめてあります。
> このセクションで分かること:飲水量まわりの素朴な疑問
日本の水道水なら問題ありません。 ミネラルウォーターは、 硬水だと尿路結石のリスクが上がる可能性があるので、 与えるなら軟水を選んであげてください。 ただ、 水の種類を気にして水そのものを減らすのは本末転倒です。 飲んでくれること自体のほうが大事です。
毎日は大変なので、 3〜5日つづけて平均を取るのを、 季節の変わり目に1回くらいで十分です。 気になる変化があったときに、 また測ってみてください。
流れる水を好む子は確かにいます。 ただ全員ではないので、 買う前に蛇口から少し水を出して、 興味を示すか見てみるといいかもしれません。
気温が下がると飲水量は落ちます。 そのぶん尿が濃くなりやすいので、 泌尿器のトラブルが増える季節でもあります。 ウェットを増やす、 水をぬるめにするなどで補ってあげてください。
腎臓の働きが落ちてくると、 薄い尿がたくさん出るようになり、 そのぶん水をよく飲みます。 「歳だから」で済ませず、 増えてきたら一度診てもらってください。
一度測っておくと、 「いつもより飲んでいる気がする」が数字で確かめられるようになります。
受診するときは、 測った飲水量・フードの種類(ウェットかドライか)・体重の推移 の3つを持っていくと、 話がとても早いです。
水を飲む量が増えた、 あるいは減った状態が続くようでしたら、 必ずかかりつけの動物病院に相談してくださいね。 素人判断は禁物です。
※本記事に掲載している画像の一部は、Google Geminiで生成した画像をそのまま使用、または編集・加工して使用しています。生成された内容は目視で確認し、整合性に問題がないことを確認したうえで掲載しています。
猫と犬と暮らす毎日に、
ちいさな発見を。
コメント